『触覚の発達が土台になる』
2025.5.15
平素はハートフルデイの療育活動にご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
今年の梅雨入りは例年よりも早く、早ければ6月前半になるのではないかと予測されています。季節の移ろいが急激になっている現代では、そうした変化にすぐに順応できる人ばかりではありません。これは、感覚に特性のあるお子さまにとっても同様です。特に「触覚」のうち、温冷感覚に過敏さがある場合、その影響は日常生活の中でより顕著に現れます。触覚の発達には、私たちが一見「触覚とは関係ない」と感じるような側面も含まれており、それほどまでに触覚は広く、深く私たちの感覚全体と結びついているのです。温冷感覚そのものに直接的なアプローチをすることは難しいものの、「触れる」という体験を積み重ねていくことで、触覚の過敏さや偏りを少しずつ整えていくことは可能です。
スウェーデンの研究では乳幼児期のマッサージによる効果が報告されています。その結果として、痛みの軽減、黄疸の改善、体重の増加といった身体的な変化が見られました。こうした研究成果からも、乳幼児に対するタッチングやマッサージが身体の調子だけでなく、心の発達にも良い影響を与える可能性がうかがえます。元々手当ての語源を考えれば、乳幼児期だけでなく学齢期に入ったお子さまにも有効性が考えられます。
ハートフルデイでもPPTを通じて直接的なふれあいを大切にしています。基本的信頼や愛着の形成は、人とのふれあいを通して築かれるものです。だからこそ、保護者の方にも療育に参加をしていただいています。また、ご自宅での実践も推奨しています。たくさん触れ合い、あたたかい手で抱きしめ撫でてあげることが安心感を育み、心身の土台をつくっていく第一歩になるのです。私たちも、そんなふれあいの時間を一緒にお手伝いしていきます。