『DCDと感覚統合』
2024.5.15
平素はハートフルデイの療育活動にご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
先日DCD学会の学術集会に参加をしてきました。DCDとは「協調性発達運動障害」の事で、ADHDやASDと同じく神経発達症の1つです。現在どのような研究がされているのか、どのような介入をするのが良いのかなど多くの学びがありました。
DCDは簡単に言えば、「同年齢の子に比べてとても不器用」ということです。年齢相応の協調運動や動作が上手くできない。ジャンプのような粗大運動、文字を書くというような微細運動だけでなく、ボタンが留められない、物にぶつかる、物を落とすなどもDCDの症状の一つです。本人の努力だけでは上手くいかないのですが、他の神経発達症よりも認知度が低いため、「努力が足りない」「怠けている」「ふざけている」と勘違いをされやすく、不必要に怒られてしまう事が多々あります。その結果、活動に対してのモチベーションが低くなり、回避行動が増えていきます。DCDも脳機能の問題です。ですので、どんなに繰り返して練習を行ったとしても、適切な支援がないとなかなか習得することが難しいのが現状です。
合理的配慮を受けられるようにするのは1つの手段です。園や学校でどのような工夫をすれば生活をしやすくなるのかを相談することでQOLを上げることが出来ます。また、DCDの子どもたちは感覚の困難も抱えている事があるため、感覚統合も有効な手段です。ハートフルデイでの活動は運動の難易度としては高くはありません。今までに習得して来たことにほんの少しタスクを加えることで自分の身体を意識的に動かしていきます。そして意識的に動かす事によって身体図式やボディイメージの獲得を目指し、より分離協調を促します。毎回楽しく活動を繰り返すことで、日常生活が円滑になるよう、支援を行ってまいります。引き続きご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。