『幼少期の自己刺激行動に見られる固有感覚の発達課題とその対応策』
2022.9.15
平素はハートフルデイの療育活動にご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
触覚・前庭感覚と順番にお伝えしてきましたが、今回は最後の固有感覚についてお話いたします。
固有感覚は筋肉や関節が深くかかわってきます。「不器用」「力加減が苦手」「ドタドタ走る」「高いところから飛び降りる」など困りごとでよく聞くこのとの原因がここにあります。固有感覚が育っていないと筋肉や関節の動きを感じる力が弱いため、このような強い刺激が入る自己刺激行動を行いがちです。
本来であればこの自己刺激行動は感覚の発達段階において必要な行動です。「常に走っている」「保護者の方に何度もお相撲を挑みにいく」など固有感覚の発達のために無意識に固有感覚をたくさん使う活動を行います。しかし、固有感覚が育ちにくかったり動くのが好きではないと、固有感覚の発達が弱く感覚を入れるためにずっと動く「落ち着きのない子」や力加減が身につきにくい「不器用な子」として扱われてしまいます。特に不器用さが顕著に現れる子は発達性協調運動症(DCD)と呼ばれることもあります。固有感覚が育ちにくい子は骨や筋肉に大きな刺激を欲しがちです。一番問題なのはそれが危険行為になりやすいことです。そのためにも安全に配慮しつつ意識して固有感覚を入れていく必要があります。
ハートフルデイでは、PPTで関節や筋肉にアプローチし、マット運動で実際に自分の身体を使って動くことで固有感覚を使っていきます。ご自宅で固有感覚の刺激が欲しい様子があれば、児発のお子さんであれば「どんぐり」、放デイのお子さんであれば「足上げ腹筋」が安全で有効かと思います。ぜひお試しください。
ハートフルデイ 総務室 木村麻理枝