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 『太古の昔からある感覚』

2022.5.15


 平素はハートフルデイの療育活動にご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
 
 今回は感覚の中でも最も古くから備わりハートフルでも大切にしている「触覚」についてのお話をしたいと思います。実は触覚だけは所謂五感と呼ばれる識別感覚と、固有感覚や前庭感覚と同じ原始感覚の両方に含まれる感覚です。それだけ触覚の機能が多岐にわたっていることがわかります。触覚は胎児の時に一番最初に作られる感覚です。胎児の段階で触り心地と痛みの区別がわかるようになっているため、触れるものは安全なもの・触れないものは不快なもの、と乳児期には区別をしているそうです。
 
 さて、生まれてから自分で動けるようになるまで優しく抱っこをしてくれるのは誰でしょうか。ご両親です。抱っこなどスキンシップを取ることで安心感を覚えます。そうやって「この人たちは安全である」と認識をするのです。赤ちゃんの手の平に指を乗せるときゅっと握ってくれるのも安全だと判断して握り返してくれているのです。
 
 では、触覚過敏で抱っこを拒否する赤ちゃんはどう感じているのでしょうか。触覚の中にもいくつか種類があるのですが、その中でも危険を察知する痛覚や温冷覚が他の触覚よりも優先順位が高く感じやすいとされています。触覚過敏のお子さんの場合は痛覚が他の触覚より勝ってしまうことで、安心なはずのご両親の抱っこに対しても「危険なのではないか?」と反応してしまい拒否をしてしまうのです。そのため適切に触覚が育たず、触覚過敏の様々な症状で日常生活に支障が出るようになるのです。
 
 ハートフルではPPTで子どもにたくさん触れます。安心できるよう保護者の方にもご協力いただきながら、触られることは決して危ないことではないことを繰り返し繰り返し手のひらを通じて伝えていきます。その中で触覚を育み土台を整えています。難しくありませんので、ご自宅でもぜひ試してみてください。
 
 

 ハートフルデイ 総務室 木村麻理枝

 

 

 
  
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