福山型先天性筋ジストロフィーの次女が気づかせてくれたこと
2015.10.15
ご訪問くださりありがとうございます。
東京都港区東麻布で発達障害児童を発達させる運動療育の放課後スポーツ塾「ハートフルデイ」です。
1回40分間の個別指導を取り入れ楽しく心身ともに健やかに成長するお手伝いをします。
はじめましてハートフルデイアドバイザリースタッフの「加藤さくら」と申します。
〈ことばを話す〉小学2年生の長女と、〈ことばを話さない〉年長さんの次女2人の娘がおります。
一般的にいうと〈健常児〉と〈障がい児〉の子どもの母親です(*^^*)
次女は福山型先天性筋ジストロフィーという難病で知的・身体共に障がいがあります。
同じ病気でも歩ける子、会話ができる子もいますが次女は歩く筋力はなく車椅子で移動。
コミュニケーションは9割がジェスチャーや態度などの「非言語コミュニケーション」で1割が単語(じぃじ、あっち、ママなど)を発しています。
次女が通う保育所でも、家でも、次女は人との関わりを非言語コミュニケーションで楽しんでいます。
喜怒哀楽や「あれしたい、これしたい」という欲求を顔や瞳の表情身振手振りを総動員させて表現して“おしゃべり”はできなくても、すごくおしゃべりなんです(笑)
さて〈ことばを話す〉長女と、〈ことばを話さない〉次女と日々コミュニケーションをとる中で、コミュニケーションの真髄に気がつきました。
それはコミュニケーションとは【心】ありきだということです。
ことばも文字もコミュニケーションをとるのに重要なツールですが、これらを使わない次女と対話をするとき自然と次女の【心】に目を向ける自分がいます。
「どんな気持ちかな」「何を伝えたいのかな」次女が心で想っているのはこんなことかな?というのを確認しながら対話するのです。
次女が絵本の中のイヌを指差したら「わんわんだね」と返します。
イスを指さしたら「イスに座りたいのね」悲しい表情で泣いていたら「悲しいね」
悔しい表情で泣いていたら「悔しいね」
こんな風に気持ちや伝えたいことを確認します。
きっと、ことばを話さない赤ちゃんにはみなさん自然と上記のような【心】に焦点をあてたコミュニケーションをしているのではないでしょうか。
もし、本人の気持ちと、わたしが「こう思ってるのかな」と確認したことが違う場合は変わらず泣き続けたり。
もしくは余計に激しく泣いたり首を横にふり「ううん」と教えてくれたりします。
そのときは、確認をし続けます。
例えば次女が座位の体勢が崩れて床に頭をぶつけて激しく泣いているときは「痛かったね」「頭ぶつけてビックリしたね」と抱きしめながら心に寄り添うと、次女は「わかってくれた」という安心の表情を浮かべて泣き方が和らぎ、すぐに遊び始めるなど切り替えが早くなります。
一方、同じシチュエーションで次女に対して「これくらい大丈夫、大丈夫。泣かないの!」と接した方がいました。
さて、次女はどんな反応を示したかというと…
執拗に泣き続けていました(^_^;)
大抵の場合痛くて泣いてるのは最初のうちであとはわかってもらえない悔しさで泣いているようでした。
※実際、親業講座をお伝えする中で子どもの頃、親から言われてイヤだった分かってもらえなくて悔しかった言葉かけを思い出す受験生さんがいます。
その中で多いのが、転んだ時、どこかが痛い時に「大丈夫、大丈夫」と軽くあしらわれたことがでてきます。
大人の私たちも同じことが言えるのではないでしょうか。
ふと「お夕飯つくるのやだなぁ…」とつぶやいた時、「一日中働いてる俺の方が疲れてるのに夕飯くらい作ってくれよ!」
という夫と、
「そうか、疲れてるんだね」と心に寄り添ってくれる夫。
みなさんはどちらの夫が好みですか?(^_^) (私は後者です)
相手の【心】に関心をもって接することであたたかい関係性を築くことができます。
しかし、相手の心にいくら関心をもっても透視能力でもない限り心の中を読んだり見たり相手がどんな気持ちかわからないですよね。
そこで非言語コミュニケーションが重要な要素になります。
相手はどんな目の表情をしていますか?
顔の表情はどうですか?
全体の雰囲気はどうですか?
いつもと違うな、と思う行動はありますか?
これらの情報から相手はどんな気持ちかな、と【確認】するのです。
あくまで、確認です。
ドンピシャで当てにいかなくても大丈夫です。
こんな気持ちかな、と確認をして相手の反応をみながら寄り添うことで心の距離は縮まっていくはずです。
今回は〈ことばを話さない〉次女について書きましたが実は非言語コミュニケーションは〈ことばを話す〉長女や夫お友だちなど、あたたかい人間関係を築くために必要不可欠なものなのです。
ことば、は便利ですがこの【ことば】があたたかいコミュニケーションを阻むことがある、ということについて次回書きますね(*^^*)
アドバイザリースタッフ
加藤さくら