『夏休みの宿題に見られる、先延ばしすることの弊害』
2021.8.15
平素はハートフルデイの療育活動にご理解とご協力をいただき感謝しております。
夏休みもあと僅かとなりましたが、お子様の宿題は順調に進んでいるでしょうか。私も振り返ってみて、毎年この時期に同じ反省をしていたことを思い出します。
先延ばしの意味を辞書で調べると、すぐやるべきことや予定していたことを先へ延ばすことと定義されています。ADHDの傾向のある人は計画的に物事を進めていく継次処理(けいじしょり)は苦手です。先延ばしは子ども達の夏休みの課題提出に限らず私たち大人の日常生活にも影響を与えています。
ダブリン市立大学のイスルト・フリーニー博士が「企業のためのチームづくり」について研究した結果、チーム内で業務の先延ばしが原因となって発生するメンバー同士の衝突がチームの存続を脅かす大きな原因となっていることがわかりました。誰かが先延ばしすることで仕事が進まず、それが原因で人間関係がギクシャクすることがそのチームをダメにするということです。逆に目の前のことをすぐに取り組んでいるとき、その人の人間関係が良くなっていることもわかっています。これはすぐやることによる時間的余裕の確保が共感能力を向上させ、人間関係を良くすると考えられています。
子ども達がこれからの長い人生をより良く生きてもらうため、私たちは毎回の感覚統合療育を通して、今取り組んでいる活動の実感が継続できる身体を作りを目指し、新しい刺激にすぐ反応してしまう易反応性(いはんのうせい)の軽減のためにも、丁寧な療育を中長期的に提供できるよう取り組んで参ります。
ハートフルデイ 代表 西崎伸彦